先日、桜を見に
和光樹林公園に行こうとバイクにまたがった。
しかしなぜかいつも掛けない後輪ブレーキが掛かっていて、解除しようにもどうしても無理だったのだ。車輪がロックされ全く動かなくなっていた。原因不明。
普通は絶対に見る事もないバイクの説明書を初めて見て、解除方法をその通りにやってみるも効果なし。もしかしたらこういう場合の違う対処法があるのかと、ホンダのフリーダイヤルに電話してみた。説明書の最後に載っていたからだ。
担当のオペレーターが出た。その女性オペレーターはすぐさま、
「故障の疑いがあるので近くの修理場へお願いします」
との事。
いやいや、すぐにそんな事言わないでくれぬかね。それって対処法じゃなくって最終手段だから!そんな即答ならお客様相談センターはいらん。
「・・・なにかこう、ブレーキを解除するコツというか、そういうのないんですか。きっと何かちょっとした切っ掛けでこうなったと思うので」
「はぁ・・・」
「昨日まで何の問題もなく車庫に入れたんですよ」
「・・・少々お待ち下さい」
しばし保留音の後同じオペレーターが出た。上司に確認を取ったのだろう。
「やはり現物を見ていないのでこちらでは分かりかねます、修理工場へ持ち込んでください」
「・・・わかりました」
多分これ以上言ってもダメだろう事を悟ったのであきらめた。つかえねーなー。世界のホンダとかって言うじゃない。(矢沢風)
どうしようかと途方にくれた。バイクがなければ仕事に行くにも都内のスタジオに行くにも支障がある。修理に出してたらその期間足を確保するのに、非常に面倒である!!いやだ!
なんで急にこんな事に。きっと単純に何か引っかかっているとかそんなレベルのはずだ。そもそもホンダ製が簡単に壊れるわけはないのだ。
しかも昨秋20万円をかけて、オール点検をし古いパーツは全て取り替え、外装もガタがきている物は全て直したのだ。そんな簡単に壊れるわけはない!と今では冷静に思えるのだが、焦っていたのでイライラトゲトゲしていた。
「ぁんでこのタイミングでこんな目に遭うんだ!!F○CK!」
次にそのオール点検をしたホンダ正規店へ電話してみた。すると営業のY氏が出て、
「スタンドを立ててエンジン掛けてみてください」
との事。その通りにやってみた。
フュージョンの車体は重いので、普段はサイドスタンドだけを使用し、後輪を持ち上げるに至るセンタースタンドは立てないのだが・・・
エンジンを掛け空ぶかしをすると、全く車輪の回らない少しの間をおいてから「カチッ」と音がして、勢いよく車輪が回転してくれたのである。
アドバイスをしてくれたY氏が神に思えた。さっきの女オペレーターはあばずれだ。
花見ドライブの中止、レッカー移動と修理に掛かる費用、修理中に支障を来たす移動手段、その全てが一気に解消したのである。
かくして安堵を胸にバイクを走らせ、桜に会いに向かった。バイクから過ぎ去る桜を眺めつつ考えていた。きっと後輪ロックによる足止めによって、起こるはずだった交通事故を未然に防いだのだ。あのままスムーズにバイクを出していたら今ごろは・・・
後輪ロックは原因不明だとばかり思っていたが、世の中原因不明なことって無いのかもしれない。サンキュー守護霊!(・・・ってちょっと軽いか)