不眠症リハビリをしている。
以前のような、泥酔になるまで飲み、ヒューズを飛ばして眠る方法は避け、ほろ酔い程度でも眠れるように努力している。
そんな最近のオレに変化が現れている。以前よりも夢を見るのだ。
夢というものは自分の脳内で創造する物語だから、自分が見聞きしたり経験したりした事がベースとなって構築されるらしい。
だから夢の中の登場人物も、全く会った事の無い人は夢に登場しないというのだ。もし知らない人が夢に出ても、それはただ自分が忘れているだけであり、近所のスーパーの店員であったり駅構内でたまたま通りすがりに見た人であったりするらしい。
今日見た夢はこんな夢だった。
デパートに車で買い物に行って駐車場に車を停めた。何千円以上の買い物をすると駐車代金が無料になるのだが、どうもそれを処理するレジでの段取りが悪いのだ。
色々店員さんに突っ込むも全く解決しなかった。ついにデパートの偉い人が出てきてあれこれするも、全く解決しなかった。
買い物をした事実を駐車券へ記載するという、そんな単純な事がなんでスムーズに行かないのかと、オレは夢の中でイライラしていた。
しかし夢から覚めて冷静に考えると、それは絶対に解決しないだろうと気付いた。そんなデパートの内情など、オレには分からないからである。
しかし、どうしても自分の今までの経験がベースになった夢とは思えないような、自分が想像できそうもないような夢を見ることもあるのだ。これってもしかして、前世の記憶!?
ああ、こんな事を思い出したよ。
「もし仮に輪廻転生がこの世にあるとしても、次は生まれ変わらなくてもいい」
という意見を関係筋の者が言っていたのだ。なぜ?と聞くと、天寿を全うしたあとは少し休みたいから、との事だった。うーん、それはどうなのだろう。
例えば前世の記憶を完全に引き継いだ形でこの世に再度生まれ変わったとしたら、「少しは休みたいよ~」と思うかもしれない。
80歳で死んで生まれ変わって、物心ついた5歳の時に前世の記憶があれば気分的に85歳の気分である。それなら少しは休みたいという気持ちになるかもしれない。前世はやはり記憶に無いほうが良いようだ。
夢に例えたらこうではないか。朝起きて会社に行き、クタクタになってさあ寝るか!という内容の夢を見る。さあ寝るかと思って眠りに就いたすぐあとに目覚まし時計が鳴り、現実の一日が始まる。夢の記憶は鮮明なだけにきつい。
夢はすぐに忘れてしまう。そんな夢をこれから逐一、起きたらすぐに書き留めておこうと思っていた。一見辻褄の合わなそうな事でも、点と点をつなげたらなにかのメッセージがオレに浮き上がってきそうな気がしたからだ。それに、もしかしたら前世を知るキーワードを知り得るかも。
いやしかし、夢は逐一忘れる方が良いように人間は出来ているのかもしれないなあ。夢の警告する事をいちいち気にして生活しても疲れると思うから。前世の記憶を引き継いで現世を生きるようにだ。
因果応報は夢も前世も記憶に無いほうが、都合がよいという事か?
夢見の不思議 1