季節の変わり目は、ストーブの灯油を買おうか買うまいか悩む。
原油高騰の昨今、容器いっぱいに灯油を買ってきた明日から暖かくなったらどうする?貧乏性全開である。
最近容器の灯油が空になったが、補充はしていない。我慢する事に決めた。
しかし、マンション備え付けのクーラーの暖房はほとんど効かないな。真冬に夏服程度のぬくもりだ。
ホットウーロンハイを飲んでなんとかしのごうとして、電気湯沸かし器にポットをかけた。すると、
「バツン!」
という鈍い音と共に暗闇になった。ブレーカーが落ちて停電になったのだ。
電気の暖房と電気湯沸かし器を同時に使うと、どうやらオレの部屋は電気の許容量が超えるようだ。
停電というのは突然襲い来る、普段何気ない生活の中にある唯一の絶望感だ。突然視力を失う絶望感。目の見えるありがたみを知る。
大して暖かくもならないのに、相当量の電力を使う暖房にも絶望する。
暗闇の中記憶を頼りにブレイカーまでたどり着き、小さなつまみを上げる。
つまみを探し当てて部屋に光が戻り、電化製品の全てに呼吸が戻った。普段の生活が戻った。電気のありがたみを改めて知った。
低い設定の電気許容量な生活水準の絶望感からも、色々自身の生活を見直す機会にしてくれる停電。
灯油をケチらなければそんな事はオレに降り注がなかったのに嗚呼、戒(いまし)めの意味もあるのか停電。