自らが背負わなくてはいけない運命なのだろうか。
先祖の警告かはたまた、オレの進行を阻止しようとする者の、嫉妬か。
数年ほど前に、当時加入していたバンドの宣材集合写真を撮ったところ、オレの足がスパッと消えていた。 後ろに影は映っているのにね・・・
ショックだった。
色々原因を考えた。
恐山で積んであった石を崩したからか?
足を怪我する前触れか?
社会の地雷に気を付けろとでも?
それともただフラッシュが原因なだけ?
写真を整理していたら、オレの身に過去起こった不思議な写真を見付けてしまって、この写真が撮れた日の事を思い出してしまった。
以前に加入していたバンドで、PR用写真の撮影をする事になった。
関東の初冬、ズボンを撮影時に履き替えるのが面倒で、LIVE衣装用のハーフパンツのまま、電車で新宿へ行ったのだ。
しかし撮影は長引き、終電が無くなってしまった。仕方なく、同じ市内に住むROUTE・B(当時同じバンドに在籍していた)のバイクの後ろに乗せてもらって、帰宅する事となった。
冬の夜に1時間弱バイクの後ろで、ハーフパンツのヒザ丸出しはとてもきつかった・・・
ヒザの感覚が麻痺するほどの冷え。家に着くとヒザがガクガクするほどだった。
自宅に着いてもヒザの冷えが温まらないオレに、出来上がった撮影写真を眺めていたメンバーの一人から、一本の電話が鳴ったのだ。
「足、大丈夫??」
ヒザを出したままバイクにまたがったオレを、心配してくれていたのか、と瞬時に思った。
「ヒザは今も寒すぎて、足全体の感覚が無いよ(笑)」
「そうじゃなくて、写真の中の一枚に、君の足が消えているのがあって・・・」
後日その写真を渡して貰った。
事実、ハーフパンツから伸びているはずの両足が無い。まるで、地雷で両足を失った人が、宙に浮いているような写真だ。
撮影の帰り、麻痺するまで冷え切るであろう足を心配した、守護霊の警告だったのかな、とプラスに捉えてはいるが・・・。
オレの足元にしがみ付き、進行を邪魔する亡者の仕業では無い事だけは願う。
続いて、数年前に八戸のビーチにて、太平洋の荒波に挑戦するオレの写真を見付けた。
しっかりと両足で大地に立っている。人生は常に、荒波への挑戦だ。
この両足で、今年も突き進むぜ、オレは!