朝霞へ移住した18歳から通っている朝霞台の居酒屋、つるやである。朝霞在住の叔父に教えてもらい、初めて行ったのも叔父とだった。
叔父は自宅で昔に肉屋(主に鶏肉)をやっていて、焼鳥居酒屋つるやとも間接的にかどうかは不明だが、取引があった模様。
店長の奥さんはロシア人だとか、姉妹店で反対口にある千年やの店長は息子で、だからハーフぽいだろう等と、朝霞の食肉界に精通していた。
隣町の志木へ移住し行く事は少なくなったが、以前は宮戸に住んでいて、毎日つるやの前を通り朝霞台駅へ行っていた。その焼き鳥の匂いに素通りする事は難しく、常連になったは必至だった。
つるや最大級のお勧めは、いまも昔もレバ刺しだ。
いまは残念ながら厚労省により禁止され、「炙りレバー」になったのだが、これが当時の刺しのものと負けず劣らず、むしろ炙る事で香ばしさが増したかのような美味。
極上生カツオ藁焼のように、薬味でごまかすことなく塩のみがそれを引き立てる。終盤に胡麻油に刻みニンニクを落とし、醤油を数滴垂らして混ぜたものを乗せる、これまた味変化で極上。
必ず頼んでいて、薬味は生姜とニンニクどちらにしますかと当時は聞かれた。
常連で店員と顔見知りになっていたオレは二十代の生意気さもあって、ハーフ&ハーフで両方くれと言っていた。それは特別に叶えられ、そのうち言わなくても両方が来るようになった。
いまは、
「生姜とニンニクの半々もありますが」
と聞かれるのだ。思わずニヤけてしまう。それ、オレが定着させたものだから、という自負からである。