最近入っているのは大山駅前にあるダボというスタジオなのだが、ここのおばちゃん店員が初対面から親身すぎて警戒していた。
過去のトラウマから簡単に人を信用しないし心を開けないのだが、一昨日のスタジオの帰り際である。
「ミナト君はくじとかやるのかな?」
と言われた。ミナト君て・・まあそれはべつにいいとして、
(んだよ~早く帰りたいのに、おばちゃんの暇つぶしでしばしの拘束か)と警戒しつつ、
「あ、はあ。。」
すると、大山商店街で千円につき一枚発行されるくじ引き券を、メンバー一人につき5枚もくれたのである。
ガラポンは昼にしかやっていなく、昼にスタジオに入るバンドマンもあまりいないから余っているとの事。
「近くのマツダ電器でガラポンやってるからくじ引いておいで」
と、来年四十のメンバー三人に、近所の駄菓子屋にお小遣いを渡して促すように言うのである。
「んじゃあやってみるか」
と、くじ引き券を握り締め、会場へ出向く事に。
「あ、ちょっと行ってくるのでギターを置いておいていいですか」
「うん、いいわよ」
ガラポンはまずオレからやったのだが、いきなり商店街で使える500円割引券が当たった。あとの4回ははずれの飴玉だった。まあ受け取りは辞退したが。
結構当たるのかなと思ったが、Dカネコ君もB浪岡も、5回中5回、すべてはずれの飴玉だったのである。
スタジオにギターを取りに戻るとおばちゃん店員が、
「どうだった?」
と聞いてきたので、
「おれだけ当たり!他のメンバーははずれ~(笑)」
と、テンションが上がっているオレなのだった。
「あらぁ、良かったじゃないミナト君!その割引券、スタジオでも使えるからね!」
注:駄菓子屋での小学生の会話ではない。40手前のおっさんとおばちゃん店員とのスタジオでのやり取りである