プロの手口はきわめて巧妙である。オレも騙されてしまった。夢の中でだったが、それは現実社会での警告でもあった。
夢の舞台はいつも実家なのだが、ネズミと猿と猫がうちのリビングに入ってくる夢を見た。
ネズミはわりと大きめで、猿は八甲田で見たような日本猿、猫は死んだ飼い猫、キヨハル似であった。
ネズミと猿は即追い出した。しかし猫は机の下に隠れていた。ようやく引っ張り出すと、それはどうもキヨハルと瓜二つであり、唯一違うのは
オッドアイであった。
両親もすぐに追い出せとも言わず、似てるね~などと久々の再会に目を細めていた。オレもキヨハルを撫でている錯覚に陥っていた。
そして猫の処遇が曖昧な所で目が覚めたのだ。
しかしオレは今、とても後悔している。
「こいつぁ~キヨハルなんかじゃねえ、泥棒猫だ!」
と、窓から蹴り飛ばせばよかった。なぜなら夢占いの本を開くとこいつらは・・・
全員詐欺師だったのだ!
「オレオレ、キヨハルだよ」
猫にやられるようじゃ・・・
亡き叔母の本を大事にしている
八戸の地に眠るキヨハル、一年目