居酒屋山ちゃんで一昨日飲んでいると、斜め右向かいに座っているカップルがいた。
男(サラリーマン風)はオレに背を向け、向かい側に座る連れの女性と話しをしている。
終始彼女が聞き手な感じで、二人の居酒屋での時間が流れていた。
途中で、何度かその彼女とオレは目が合ったのだ。
多分彼の話しが退屈だったのだろう。
そして彼女はオレの事が好みだったに違いないと、即座に妄想が走った。
彼女は、相田祥子をもう少しシャープにした感じで、ちょっと大人しめ。酔ってきたのか、顔がほんのり高揚した、推定29歳。
後ろ姿の男は、どこにでもいそうな無難ヘアのYシャツ姿。中肉中背。
どういう関係かは知る由もないが、男は何かを主張したり意見を述べたりと、語彙が強い。
彼女はうなづいたり、一言返せばその何倍でも語る彼に、また同調したりしていた。
しかしたまにオレを見るのだ。
左の感覚では、バンドメンバーとの対話をこなしていたが、右側の感覚はその相田祥子に終始向けられていた。
この二人は居酒屋を出た後、やっぱりやるのかな。どうなんだオイ!ちらちらオレを見ていたから、ホントは話しのつまらん彼じゃなくて・・・
などと一人鼻息を荒くしていた。
そう考えると、人同士の関係はタイミングのみである。
もうあの相田祥子には会うこともないだろう。
どこか違う場所で、違うシチュエーションでオレと飲み交わしていたら、きっと楽しかったのに。