昨日はトレイシー・ガンズ率いるLAガンズのライブだったのだが、その前にオープニングアクト(前座)の日本人バンドが5曲ほど演奏をした。
はっきり言って、んなもんいいから早くトレイシー出へ~!!と、直立不動で観ていた。
ちなみにオレは前から二番目のステージど真ん中。オレの前は小柄な女性だったので、ほぼ最前であった。なのにオレは棒立ちだったから、出演者もなんだこいつと思ったかもしれない。
しかしあるMCがオレをはっとさせたのだ。
「え~、世の中には愛の歌ってのが何千、何万とあるけど、オレたちにも愛の歌があるんだ。次の曲は、911の消火作業で亡くなった消防士、トミーに捧げる曲だ」
と言ったのだ。
ふーんと思った。
で、その後にテロや憎しみはやめて平和な世界を目指しましょう、などとお決まりのセリフでも続くのかな、と思った。しかし違ったのだ。
オレはボーカルの続けたMCにびっくりした。
「広島、長崎、そしてNY、被爆三世である我々は、色々を考えなくてはいけんのよ」
と言ったのだ。え!?い、今、なんて言った!?しかも、広島弁?
よくよくMCを聞いてみると、彼らは広島から来たバンドである事が分かった。
911の作業中に亡くなったトミーはビルの崩壊に巻き込まれてなのか粉塵を吸って後日病気(きっとガン)でなのかは語られなかったが、きっと後者のほうであると思う。
911のビル倒壊にどんな爆薬が使われたのか彼らも分かっていた事に非常に驚いたのだ。広島の人間だから、そういう事にも敏感なのだ。
もうかなり、核心部分は浸透しているのだとその時に思った。
そのMC一発でオレの世界観というか、核兵器に厳しい姿勢のスタイル(広島県人なら当然か)に共感というか、ガッチり合致したので先ほどまでのふてぶてしい姿勢を反省し、応援側に回ったのである。
ライブ終了後彼らに話し掛けたかったがついにそれは叶わなかった。オレは彼らにこう言いたかった。
「MCで言及は避けていたけど、ビルを粉末にするほどの爆薬、そして消防士トミーをガンにさせた兵器とは、アレの事ですよね。あなた方の故郷にも、落とされたヤツ」
きっと彼らはオレを同志として受け入れてくれたと思う。
広島・長崎・NY、キーワード 「グラウンドゼロ」
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