座布団の改良に反対だ。
これじゃあ飛ばせない!相撲協会が九州場所で新型座布団
相撲がさらにつまんなくなっちゃうよ!!あんな軽い座布団が当たったってケガなんかしないって!野球のファールフライの方がよっぽど危険だ。
投げられないようにするため座布団が改良されるようだ。つまんないねえ~。国民の娯楽からそういう面白みを削(そ)いでどうするんだろう。
座布団投げの面白みを存分に味わえるシーンに出くわした事がある。あれは忘れもしない、おととし1/9である。
大相撲初場所、2日目を観戦していたのだ。ほんとうは初日に行きたかったのだがさすがに満席で、仕方なく中途半端な2日目に行ったのである。
初めての相撲観戦だった。国技館内の売店やお土産やさんに、ふつうに力士がジュースを買ったりしているのには驚いた。実際に間近で見るとやはりデカい!
前からノッシノッシと歩いてくる力士。肩がぶつかったら絶対に吹っ飛ばされそうな威圧感だった。仕方なく道を譲(ゆず)るしかなかった。
マス席に座って酒も入り気分が高揚してきた。歓声とスポットライトに包まれるお相撲さんたち。オレも少しだけ土俵入りをしたくなった。地元力士を応援し(心の中で)、たまに人気力士はカメラでパチリ。特に波乱はなく、坦々と進行していった。まあ、でもそれなりに楽しいなと思っていたのだが、ラストにそれは来てしまった。
連勝記録を続ける横綱の朝青龍が負けたのだ。もしかしたらと思って座布団に手は掛けていたが、まさかホントに負けるなんて!!!
横綱のタイが土俵際で斜めになった瞬間に「あ、負けだ」と思った。朝青龍が完全に倒れる前にオレは立ち上がり、
「おおおお~っ!」
歓声と共に自分の座布団をぶん投げたのである。(国技館内で一番のり)
沸き立つ両国国技館だった。乱れ飛ぶ座布団を上から見下ろす様は、圧巻の一言!隣の席の座布団も奪って投げまくる。この座布団は遠くまで飛びやすいように軽量化されているようにすら思えてくる。
10枚くらいは投げた。前に座っている人に当たろうが、ビールを持った女性の手に当たろうが、子供やお年寄りに当たろうが、そんなものはお構いなしだった。投げろ投げろの座布団集中砲火であった。
帰り際、観客はみんな興奮気味で嬉しそうだった。オレも笑みがこぼれて止まらない。一緒に行った叔父も笑顔だった。凄くいい日に行ったなと思った。
興奮冷めやらず実家に電話をしてみた。親が出て、
「投げたでしょ(笑)?」
「投げた投げた、一番ノリで。見てた?テレビにオレの座布団映ってたかな?」
「すごい座布団だったよね~見たかったなあ~」
座布団の舞いひとつで、ここまで家族が団欒したり観客が笑顔になったりするのだ。だからこんな楽しい座布団投げが無くなる大相撲は、とても寂しいのです。