結果から言うと、昨日はゴキられた。
スタジオ後に酔っ払って帰宅したら、黒い恋人は玄関でオレを出迎えていた。
たまたま部屋に侵入したばかりだっただろうか。ある意味タイミングよく、帰宅したオレは黒い恋人と玄関で鉢合わせた。
その現実を直視するのがイヤだった。すぐ踏んだ。
まるでスナック菓子を踏んだような感覚だった。サクっと乾いた音が深夜の玄関に響いた。気持ち悪かった。
少々酔っていたから踏めたのだ。シラフだったらそんな大胆な行動には出られなかっただろう。受け入れたくない現実を、すぐに自分の前から消し去りたかった。
ぺちゃんこになったそれを、ティッシュ越しに抱きかかえゴミ箱に封印したが、まだ生きたい抗(あらが)いをそれはしていた。はみ出た触覚が小刻みに震えていた。
その姿は少々可愛そうに感じたが、酔っていたから過度に懐が深くなっていたからだろう。加えて昨日は宴後でご機嫌だった。
凄まじい生命力には、シラフな今はゾッとしている。
ラベンダーの香りをゴキは嫌うという情報を得ていたので、玄関にはラベンダーの芳香剤を置いていた。しかしその芳香剤のすぐ脇に、平気にいた(怖)
更なる対策は急務である。ショックはでかい。