いよいよ暑くなってきたここ首都圏。
夏が近づきウキウキするのは人間だけではない。
夏の憂鬱。ゴキげんな訪問者に怯える季節が、また到来した。
ゴキちゃんよりも地縛霊が部屋に住んでいる方がマシだ。
ゴキちゃんが出るかもしれない普通のマンションより、ゴキちゃんすら嫌がる自殺部屋がいい。
オレと衣食住を共有するゴキちゃん。
同じものを食し、同じ屋根の下に住み、同じ空気を吸って成長している。そう考えるとあの忌み嫌う姿形が、醜くなった自分を投影しているかのように感じてしまうのだ。だから気持ち悪いのだ。
自分の心の中にある醜い闇の部分が生み出した産物のようで気味が悪いのだ。芥川龍之介も
ドッペルゲンガーではなくゴキブリを見て苦悩したのでは。
人間目線の気持ち悪いという理由で「害虫」呼ばわりは心苦しいが、おお神よ許したまえ、ゴキちゃんだけは愛せぬ。
オレは彼らに会ってショックを受けると、いつも北国の故郷に帰りたくなります。
母さん、都会の人間は思ったより優しくしてくれるよ。まさか都会の虫にやられるなんて・・・