おからハンバーグを、本物の牛肉で作ったハンバーグのようだ!と評価する事に疑問をもつ。
ダイエットのために、仕方なくおからで作ったハンバーグだからそういう評価をすると思うのだが、疑問を抱く発言である。
おからやトロを最大に評価する言葉が、「牛肉のようだ」とする懐疑。やはり食育を推進すべし。
おからハンバーグは日本と西洋のコラボな料理なのに、なぜ日本が生み出したおからハンバーグとしての総合評価ではなく、牛肉で作る従来のハンバーグを持ち出すのか。
小学校のときの給食で、「サンバーグ」なるハンバーグに形のよく似たおかずが出た。サンマのミンチで作られたハンバーグであった。
当時は一口食べてだまされた気分になったが、今思えばサンバーグとハンバーグを対峙させる事自体無意味な事だと思っている。
サンバーグはサンバーグ、ハンバーグはハンバーグ、おからハンバーグはおからハンバーグなのだ。
何でもかんでも美味しいものは「牛肉のようだ」とする、牛肉がこの世で一番美味しい食べ物だと妄信する?その最上級の褒め言葉。他に何か最良の褒め言葉はないだろうか。すぐに思い浮かばないという事は、食べ物を言葉で表現するのはそれだけ難しいという事か。
人間は地球上で一番美味いものを喰らうから、その肉も地球上で一番美味いというのをどこかで聞いた事がある。
でも、一番美味いものを人間が食べているというのは人間のただの妄想だ。もしかしたら、フォアグラを精製される鴨が、強制的に喉に押し込まれる餌が一番美味いかもしれない。それは人間には分からない。
最上級の褒め言葉=牛肉のようだ
は、やはり間違っている。人によって味覚も違うから、全く参考にならない褒め言葉だ。
「美味い!八戸のイカのようだ!」
でもいいじゃないか。
もしその牛肉になぞらえて評価された食材が、牛肉に対し優越の気持ちを持っていたら、それはその食材にとって最高の恥辱になる言葉である。
似たような事をオレも以前、髪の毛を赤く染めたときに経験した。当時台頭してきたバンドになぞらえ、言った本人からしたら最高の評価であろう言葉をちょうだいしたのだ。
「IZAM君みたいでいいですね」
オレはそれがトリガーにもなって黒髪にしました。
相手にとっては最高の褒め言葉でも、当人にとってはそれがそうでもない事は世の中多々あることを知った。おからはおからで、MINATOはMINATOだもの。
牛肉のようだと褒めるのは、人間の勝手な価値観「牛肉至上主義」で、おからハンバーグの自尊心を削ぐ、最上級の否定である。