そんなにオレの泳ぎ方がヘンテコだったか?
オレはスムーズな泳ぎをしていたはずだが・・・
ここは青森県のとある小学校。小2の頃のオレがプールで泳いでいる。
泳ぎは得意な方だった。
水泳大会での遠泳で賞をとったり、父親に津軽海峡の荒波へ放り込まれ自力で孤島までたどり着いたり、泳ぎには自信のあったオレだ。
あの夏休みの暑い日、オレは大好きな水泳をしていた。学校自体は夏休みでも、プールは開放されていたからありがたい配慮だ。
夏休みの間は監視役として、PTAが交代で担当しているのだが、責任のある監視員としての自覚を持ったあるお母さんに、溺れているところを?助けられたのだ。
プールのはじからはじまで、何が楽しかったのか今思えば分からないが、何度も往復をしていた。
すると、
「大丈夫か~!」
と、急に抱きかかえられたのだ。
見ると、監視員をしていたPTAのオバチャンで、服を着たまま飛び込んでいたのだ。騒然とするプール内。
そのオバチャン、真っ青になってオレに顔を近づけ、
「大丈夫?ねえ、大丈夫?」
などと言っているのだ。
「え・・・?」
とてもショックだった。
昔から周りの目を気にするええ格好しいな性格もあって、自分は溺れているような変な泳ぎ方に見えていたのか。全く気付かなかったよ・・・と、打ちのめされた。
「早く水から上がろうね、大丈夫だからね」
・・・って、みんなの前で、みこしのように担ぐなぁ~!!