叔父と寿司屋に行った時の事だ。
寿司屋と言っても堅苦しい所ではなく、昼はランチもやっているようなファミリーレストラン風の和食処であった。
まとめて何貫か注文した。
「トロとサバとゲソとハマチ。ツナ軍艦もお願いします。あ、全て2皿づつで」
と、叔父の分も注文。
「他に注文はいいの??」
と叔父に聞くと、
「カツカレーを一つ」
と店員に言っていた。
メインの寿司には見向きもせず、胃袋の欲するものを素直に代弁する、その姿勢が男らしかった。
「ビールも一つ」
とオレが言うと、
「あ、おっちゃんはコーラ」
叔父は酒が全く飲めないのだ。
「叔父さんは付き合いで最後にお酒を飲んだのっていつ?」
「おっちゃんはねえ、5年ぐらい前じゃなかったかなあ。ほら、君のお父さんがウチに来た時だよ」
「相当飲まされて、翌日も寝込んでたよね(笑)どれくらいの量飲んだの?」
叔父はしばし無言だった。きっと致死量だったのだろう。
大酒飲みなウチのファミリーにおいて、唯一酒の飲めない叔父。
しかし叔父はいつも居酒屋に同行させられる。運転手として・・・。