マリッジリング(結婚指輪)を購入するときに、
「どのリングが一番無難ですか」
と、結婚に臨むカップルがよく言うのだという。
宝石店勤務のかたがよく質問をされる、お客からの弁との事。
無難な相手と結婚する傾向の強い日本にあって生じる、日本独特の質問事項であろうか。
ショーケースの中に光る、心にピンと来た唯一の指輪にすればいいじゃないか。ピンとくる結婚じゃないから仕方ないのか?
有名なブランドショップで指輪を物色する時点で無難な、ここで買えば間違いはないであろうと自分に思い込ませたい、能面の選択である。
「無難」とはもっともいい加減な日本語だな。
一生に一度の一大イベントだから、「無難にこなしておくか♪」というノリに聞こえてしまう所にオレは不理解を感じる。逆じゃないのか?結婚ってそんなに適当なものなのか。
手元にある、学生時に推奨された辞書を引いてみる。推奨という名を借りた、NO面教師の信じる“無難”な辞書なんだろうけど。
【無難】特にすぐれているわけではないが、格別の欠点も見当たらないこと
金太郎飴ね・・・
金太郎との結婚が無難な一般的幸福なのか。
長いものに巻かれたあの長い飴。
金太郎飴は日本における、唯一廃止して欲しい伝統細工だ。
切っても切っても“無難”な形が現れ、味に至ってはどれをしゃぶっても同一の甘味。
天下泰平の象徴たる金太郎飴は舐めたくはないと、改めて思わせられる日本独自の無難な味だ。
金太郎飴に甘んじるより、小梅ちゃんにおいて唯一の、希少な甘美の大物に掛ける女性は何処・・・。
小梅ちゃん:すっぱい小玉の占める割合が高いが、甘い大玉がその陰に隠れて1-2個入っている袋入りキャンディー。
ねえ、僕たちを食べてよ。無難だよ。