産業の急激な発展が著しかった数百年前のヨーロッパで、製造業や農業などでモノを生み出す男社会においては、子供を生む事でしか社会に貢献が出来ない女性を、
「第三生産者」
と称し冷やかな立場に追いやったと、酔いどれ教授が言っていた。
マルクス主義の極論か。
それを思い出すと、何もこの世に生み出さない男はもっと格下という事になる。
作れるものは、口から食ってヒップから出すだけのクソのみ。
正に「クソ製造機」な
匹夫・・・
いかなる理由を汲んでも、昨今のニートなどはそれに当たるな・・・
そんな第四生産者な製造業者にはなりたくないし、もしオレに息子が出来て彼がブラブラしていたのなら、そう叱咤しようと思う。
そういえばウチの父親も、オレが高校の時はブラブラしているように見えたらしく、いつも怒っていたな。
ホントは夜遅くまで、友人家の納屋の特設スタジオでジャムっていただけなのだが、毎晩酒気帯びで帰宅するオレは、ブラブラ製造機にしか見えなかったらしくて・・・。
オレはオレでまだまだバンドの初期衝動、楽器も下手っぴで、父親にも
「オレはバンドで将来挑戦したいんです」
とも、自信がなくて言えず、悪循環・・・
クソ以外の製造物を産み出したいと切に思えば、音楽への追求、モノ書きへの興味がにじみ出るは必至なのだろうか。
一生をクソの製造に費やす人生は絶対イヤだし、オレはこの世に自分の創造した、クソ以外のモノを残し、そしてダビに付したいんだ。
それはバンドを聞きに来てくれた人の、思い出に残るプレイを産み出す事でありたいし、作った曲を「いいね」と言われる、その一瞬でもありたい。
そんな瞬間に、
「オレだってクソ以外のモノを作れたんだ」
と思いたい。
ささやかな一瞬に、クソ製造機の打破を求めたい。
だが苦悩は付きまとう。
自分の存在意義に対し、過敏なのだろうか自分、という事だ。
誰もお前なんかに期待していなかったらどうする?いや、興味を向けさせてなんぼ、それがアーティスト道なのか?
嗚呼、こんな葛藤でいつも深酒してしまうのだ・・・
とにかく、
「何も生み出さない男=クソ製造機」
の図式で自分を奮い立たせ、空疎な明日を作ることなく、毎日クリエイティブに生きたいのだ。