恐山の麓、金谷団地に3歳まで住んでいたと先に述べたのだが、その地で初の記憶なのである。
父親に階段の上から尻で突き飛ばされ、階下へ落下した記憶から、オレは始まった。
真っ直ぐに階下へ伸びる階段の上で父親が日曜大工をしていて、落とした釘を拾おうと腰をその場に降ろした。その真後ろにオレがいたのだ。
父親の尻アタックにオレは吹っ飛ばされ、階段にワンバウンドもせずポーーーンと飛ばされたのだ。
そして階下の壁と床の合わさるL字部分に、L字に曲げた腰がフィットするように、スポッとはまったのである。
父親は、殺っちまったと思ったとか。オレはというと、まったく痛くもなく、泣かなくてもよかったのだが、驚きのあまり泣いてしまった。それが人生初の記憶である。
そこで死んでいたら、三歳を待たず、まさに『最期の階段』だった。
父親はおそらく母親にばれたら怒られると思ったのか、焦った様子でサイダーをオレに与えた。そこまで憶えている。
父親がこの事を母親に伝えたかどうかは、いまだ不明である。
やはりオレはそこで頭を打ったのか、だからいまこんななのかもしれない。
G-SHOCKといい、この最期の階段といい、オレの惨劇をその目で見たかのような曲を作るねえ。。(笑)