マナーを守るのは、大人として最低限の心得に思う。
大学時、ある時の飲み会で後輩が泥酔してしまい、電車で帰る時に床に寝転がってしまった。
混み合う電車内。皆に迷惑が掛かると思った。ここは良識ある先輩として注意しなくてはいけないと思った。
「そんな所で寝てたら皆に迷惑だよ。網棚に寝なよ」
「そうですよね、分かりました」
そう言うと彼は上手くつり革に足を掛けて電車内の荷台へと昇り、無事にそこで体を横にする事が出来たのだ。
我ながら良いアドバイスをしたと思った。
彼の真下に座る乗客は、頭上に彼がいるにも関わらず、真正面を直視していたのが印象的だった。