雲一つない、台風一過の朝霞警察署前。
はりきって出頭するぞこのやろう~!どきどき初体験だ。
三年ほど前、朝霞台駅近くにあるオリンピック前で駐車違反を切られたのだが、ずっと無視していた。
5分ほどバイクを置いて買い物をして戻ると駐禁ステッカーが貼られていて、切れながらその場で捨てたのだが、毎月のように督促状が届いた。
半年くらい無視をするとついに来なくなり、あきらめたと思ってほっとしていたのだが、先週に携帯が鳴ったのだ。出てみると、「警察です」と、野太い声が。
「朝霞警察署で手続きできるんで、そちらでお願いします」
これって、出頭命令!?小心者のわたしはついに、「来週払います」と屈してしまった。
朝霞警察署へ行くとめちゃくちゃ対応がよくて、銀行に税金でも納めに来たような感覚だった。
「本日はどのようなご用件で?」
と、窓口で訪ねられ、
「ええと、反則金の支払いで・・・」
と言うと、少々お待ち下さいと元気よく、接客態度は合格だった。
担当者がやはり笑顔でやって来て、
「本日は過去の反則金の納付ですね。いま書類を作成しますので、そちらにお掛けになってお待ち下さい」
お客様にでもなったような感覚だった。でもある意味犯罪者はお客様か、税金や罰金が彼らの飯代になっているのだとしたら。
「もうそのバイクは乗られてないんですか、廃車手続きとか大丈夫ですか」
などと、心配までしてくれた担当者だった。
三年もぶっちぎっていた事を段々申し訳なく思い始めるから不思議だ。笑顔が相手に与える効果はやはり凄い。
納付書を渡され、こちらを銀行や郵便局でお願いしますと言われ、朝霞警察署をあとにした。それをまたゴミ箱へなげる事は、さすがにもうしなかった。
でも、たけーよ!