同郷のメンバー、浪岡がお盆中青森に帰省しているので、その留守中にオレは、重大な任務を任されることとなった。
彼が飼っている、愛猫(たま子♀)の世話だ。
野暮用帰りに彼の家に立ち寄り、事前に渡された鍵で侵入。
猫のトイレにある、たま子のフンを拾い集め、ビニール袋に入れて厳重に縛ってゴミ箱に捨てるという任務だ。
これを怠るとキレイ好きなニャンコはストレスを抱え、部屋のベッド上で用を足してしまったり、ストレスにより毛並みが悪くなったり、深刻な事態が起こるので、オレに課せられたそれは非常に責任のある任務なのである。
20時頃、近所の浪岡宅へ向かった。
鍵でドアを開けようとすると、
「ニャーニャー」
と、たま子の声が聞こえた。
多分ご主人不在で寂しいのだろう。
鍵を開ける音は待ちわびた浪岡帰宅と思っただろうが、オレでがっかりだったたま子に同情しつつ、トイレ掃除に取り掛かった。
猫の砂に水分を吸収されカチカチになったフンを集めてキレイにしておいた。
たま子は終始警戒してか、ご主人浪岡のベッド下に潜伏していた。
浪岡が青森から戻るまで数回オレは訪問するだろうから、それまでに彼女と仲良くなれればなって、思っている。